ここでは、在来工法と比較してシステム建築は何が違うのか、どのようなケースでメリットを感じることができるのかについて解説します。
建物によって変わりますが、システム建築では部材が標準化され見積りや工程までコンピュータで管理・合理化されているため在来工法と比べると3分の2程度の価格で建築が可能です。在来工法は日本の伝統的な工法で柱や梁で支える構造になるため、どうしても部材コストが価格に反映されてしまい建築費が高くなる傾向にあります。
在来工法は設計から施工、完成まで180日以上かかるとされています。これに対しシステム建築は80~90日程度。在来工法はデザインの自由度が高いのが特徴ですが、その分工期は長くなります。システム建築はデザイン性には劣りますが、コンピュータで設計・組立・施工までシステム化されるので工期は短くて済みます。
施工する業者の技術力や部材によって耐久性は差が出てきますが、耐用年数についてはシステム建築も在来工法も30年以上あるとされます。工法による違いというよりは、どちらも耐久性の高い素材を使用することで積雪や強風などの災害に強くなり、それにより寿命が長くなります。この項目においては両者とも同程度と言えます。
システム建築は強度のある部材をベースとしているため耐震性は高いと言えます。在来工法は使用する部材の自由度が高いため、耐震性を重視したい場合は設計段階で強固な部材を増やすことで対応できます。工法の違いによって極端に地震に弱い構造になってしまうといったことはなく、どちらも耐震性については確保できます。
建物の性能については他にも耐火性や遮音性などがありますが、システム建築も在来工法も設計段階で使用するボード類や断熱材など部材を工夫することで性能を高めることができます。ただスピーディーな設計・見積もりができるのはシステム建築の方になりますので、性能+時間で考えると在来工法より優れていると言えます。
在来工法と比較すると価格と工期においてシステム建築の方が、優位性がありますが、規模が小さい建物だとそれほど大きな差は出ません。システム建築は重量鉄骨を使い、シンプルな形状の大きな建物が向いていると言われます。
これは設計や部材、工程などをコンピュータで標準化しやすいからです。また大規模の建物の方が、工期短縮による人件費の削減効果が感じやすいため、構造が単純で広さのある倉庫や工場、大型店舗などの建築に適しているのです。
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*2022年9月30日公式サイト確認時点(参照元:「シルバーエイジ研究所」https://www.daiwahouse.co.jp/business/silver/about/)